夢
また、同じ夢を見ました。この夢は、何年にも亘り、定期的に見ているものです。それはどんな夢かというと、場面はいろいろあるのですが、あらすじは、私がどこかへ出掛けて、家、または、会社に帰ろうとするものです。だけど、乗る電車の行き先が反対だったり、満員で乗れなかったり、いくら電車やバスを乗り換えても目的地に辿り着けないというものです。ああ、間に合わないと焦り始めたところで目が覚めるという内容です。そして、登場人物は、私がこの年になるまで、今までに出会った人がほとんどですが、まったく知らない女性が一人出てくるのです。この女の人は必ず、どんな場面でも、私の味方なのです。しかも、私とその女性は、べたべたした感じではなく、丁寧だけど親密そうなのです。一体誰なのか知りたいのですが、いつも途中で目が覚めてしまうので、何年も分からずじまいです。本当は、知りたくもあり、知らないままでも構わないという気持ちなのです。
夢は、大昔から不思議なものとして扱われてきました。時代によって、その扱われ方は”神からのお告げとして”、”自分の深層心理の表出として”、”予知として”、”魂が別次元に実際に行っていたものとして”、などいろいろな扱い方をされてきました。
実際にあった例として、ノーベル賞受賞者の湯川秀樹先生は、枕元に紙とペンを置いて寝ていたそうですが、ある夜、見た夢をすぐにその紙に書いたそうです。それが元になった研究結果が受賞対象になったとのことです。最後の弟子の保江邦夫さんの話です。また、作家にも、夢に見たのか、自動書記かは分からないですが、気が付いたら作品が出来上がっていたと言ってた人もいます。日本画家にも、描いている時は何を描いているか分からなくて、出来上がったものを見て、ああ、こんなものを描かされていたんだ、と言ってた人もいます。本人からしたら、その間の記憶がないのか、夢でも見ていたのかという感じでしょうか。因みに、その作家の奥さんが、部屋から出てきた作家の顔を見て、心ここにあらずという感じで、まるで幽霊の様だったと言っていた話を何かで読んだことがあります。もう35年前のことなので、その時の私は、そんなことあるか、というくらいにしか思わなかった記憶があります。まだまだ、私は、自分にたくさんの制限をかけていた頃です。
私は、あまり、自分が見た夢の分析をすることは無いのですが、同じ夢を、何度も、しかも何年も見るのには何か訳があるのかなとは思います。この夢は、分析をしたら、たくさんの理由をつけられると思います。例えば、私には、この10年くらい前から、世の中がこうなればいいなという理想の様なものがあります。自分の中では、今年はその兆候が見えるかなと期待してもう10年経つわけです。こうやったらいいかなとか、この話をこのタイミングでしたら少しは伝わるかなとか、年がら年中考えています。そして、それがなかなかうまくいかないまま時が過ぎて行ってしまっているので、それに対する不満や焦りや、イライラ、不甲斐なさなどの潜在意識が夢に出てきているのかなと思ったりします。もしかしたら、ただ、昔の会社時代のトラウマが夢に出てきているだけなのかもしれません。でも、本当のところは分かりません。それでもいいのです。たった一人ですが、いつも必ず私の味方がいますから。
それで、たまにですが、寝る前に、今日出てくるかな、誰なのかな、なんてちょっとだけ考えて、少しだけ期待して、眠りに入るのです。未だに顔すら分からないのですから。でも、もう何年も、味方してくれてありがとうって感じなのです。
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