忙しいのは危ない

意識

忙しいのは危ない
 「忙しいのは危ないよ。心を亡くしているから」「大きく変えるのは難しい。だから、大変なんだ」
これは、約七年前の日経新聞の交遊抄の中にあった言葉です。分析研究所長だった浅川直樹という方の言葉だそうです。当時の島津製作所の社長が書いてました。
私は、なんとなく気になり、この記事を切り抜いて、置いてたのですが、ずっと忘れていて、一昨日、部屋の整理をしていたら、七年ぶりに出てきました。久しぶりに読んで、なるほどそうかもしれないと改めて思いました。
「忙しいのは危ないよ。心を亡くしているから」という言葉を、当時読んだ時は、私は、非常に仕事が忙しくて、よく考えもせず、次から次へと来る仕事を反射的にこなしていた時です。そんな時ですから、心を亡くしているという言葉に、ハッとしたのを覚えています。しかも、なくしている、に亡くしているという漢字を使っているから、余計にインパクトがありました。ただ単に失っているのではなく、死んでいるとの意味合いが含まれるからです。たしかに、忙しく次から次へと人と接する仕事をしていると、機械的になることもあるのだと思います。それでは感じが悪いのでそうならない様に気をつけてはいましたが、たぶん機械的になっていたと思います。当時から、自分は本当にやりたい事をしているのか、などと考えることはありましたが、それよりも食べていくためという理由が大勢を占めていましたから、本当はこう思うのだが、という心の声は封印していたと思います。この様な忙しい時間を何年も続けているとただ与えられる事をこなすだけで、自分軸から離れてしまうのかもしれません。だから、イライラしたり、自分に仕方がないと言い聞かせたり、お酒やタバコで気を紛らせたり、言葉使いが荒くなったりしたのだと思います。所長が言う通り、心を亡くすところだったのかもしれません。
でも、忙しくしている方が自分には合っているという人は、そうすればいいのだと思います。しかし、何か、これでいいのかとか、辛いなあ、などの違和感を感じたら、自分の内側をよく見つめた方がいいかもしれません。自分の心に聞くのが大事ということです。
また、もの凄く忙しくしている人で、とんでもなく素晴らしいと感じる方がいます。でもただ忙しくしているだけではないのです。この人は、誰かに言われたことをするのではなく、自分で必要と思ったことをやっているとのことです。つまり、他人軸ではなく、自分軸で行動している自覚があるのです。だから、単に忙しいのが悪いということではなく、自分軸を保っている認識があるかどうかが大事なのだと思います。
もう一つの言葉の「大きく変えるのは難しい。だから、大変なんだ」というのは、今の地球の大変化に対応するのに、参考になると思います。社会システムなどを変えるのにはたくさんのコンセンサスを得なくてはなりません。自分が、これが一番いいと思っても、そうじゃないと思う人は必ずいます。無理に、いやこれが一番だからと強引にやれば軋轢が生じます。この強引なやり方をしたら、カバールやDSとなんら変わらなくなってしまいます。だから、「大きく変えるのは難しい」し「大変」なのです。きちんとやるには時間がかかるのが当たり前なのだと思います。必然的にゆっくりと決まって行くことになりますが、形になるのが見えてきたら加速すると思います。侃侃諤諤話し合って、徐々にやっていけば、何かしら形にはなります。そして、タイミングがくれば、カチッと多くの人々に利するものになるのだと思います。
やはり、これからの地球は、今までの様な強制的なものではなく、調和的なものになると思います。その過程で、こんなにのんびりやっていたらダメだとか、誰かに出し抜かれてしまうなどと声を大にして焦らせる人達が出て来ると思います。それに圧倒されたり、面倒だから仕方がないと、自分の心の声を封印して、今までみたいに従ってしまったら何も変わらないし、強制、従属の世界が継続してしまいます。しかし、自由意志の尊重と選択の自由が重要視されるこれからの世界では、誰にも強制されることなく、各々のペースでやればいいと思います。
私は、これから地球は大きく変わろうとしていると感じています。そんな時だからこそ焦ったり、慌てない為にも、「大きく変えるのは難しい。だから、大変なんだ」という、この言葉を忘れない様にしたいと思います。

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