ほんとうの知性
「教科書は正しいかな?と考えるのがほんとうの知性だけれども、そんなことを言っていたら100点とれないもんね」
これは、健康ジャーナリストの船瀬俊介さんが講演会で言ってた言葉です。
私は、小学生、中学生の時は、教科書に書いてある事が、正しいかそうでないかということなど思いもしませんでした。高校生になって少しずつ教科書の内容に違和感を感じ始めました。でも深くは考えず遊び呆けていました。大学生になってからは、なぜ特定の教科書を使わせるのか、その動機の様なものが分かり始めてきました。しかし、違和感を持ちながらも、その教科書を読んで、ある程度暗記したりして理解しないと、テストや論文で落第点を貰い、単位を取れませんから、仕方がなく受けていた記憶があります。本当に耐えられない授業は出なくなりました。だから、本当は、私はあまり偉そうなことは言えないのですが、、、。
私は、この「教科書は正しいかな?」という、一見何でもない様な話は、視点として重要だと思います。教科書という言葉をテレビに置き換えたり、有名人やその道の権威、業界の実力者などに置き換えてみて、正しいのかな?とか、本当かな?といろいろ考えることで、自分軸の生き方ができる様になり、長い人生の途中にいくつもある落とし穴に嵌りにくくなれるのではないかと思います。
人は、何かをするときには、必ず、他の人に隠してる動機があります。その人の真の動機というものです。それは、お金を稼ぐためというのが一番多いと思います。
また、有名になる、賞賛される、トップになる、支配する、権力を握るなども多いのではないでしょうか。反対に、人助けや世の中を変える、世界平和のためなど、困っている人達を助けて、平和な世界にするといった動機を持つ人もたくさんいると思います。
そして、私達は、”それらの動機に基づいて、それが実際にどの様に行われているのか”ということを調べることが大切だと思います。
私は、この様なことを調べている時に思い出す話があります。それは、渋谷で路上生活をしている人達を支援していた時の山田征さんの言葉です。この方は、何でも大組織化してやる人ではありません。ある日、その現場の取材にマスコミが来て、彼女に質問しました。
「どんなお気持ちで援助をなさってるんでしょうか」と記者は尋ねました。
彼女の答えは「どうとかいうことではなくて、ただ放っておけないだけ」と答えたそうです。
私は、山田さんの様な動機でやっている人は世の中には、本当は、たくさんいると思います。でも、まったくアピールしないからなのか、大々的に取り上げられるのを嫌がる人が多いのか、マスコミは、お金にならないから記事にもしないのかは分かりませんが、この様な人達は広く認知されることは極めて少ない気がします。でも、それでいいのかもしれません。また、その方がいいのかもしれません。
私はこの様な個人的な助け合いが好きです。なぜならば、目立とうとしてやっている訳でもなく、自分の気持ちに従って、個人的に、無理せずできる範囲でやっているからです。と言っても、一人では何でも出来ませんから、その時集まった人達は、お互い仲間として協力して行い、ある程度その目的が果たされたら、解散して、また何かやり始めたら自然と仲間が集まり目的に向かうという繰り返しの様です。これは、いわゆる”個の独立と融合”です。だから、あまりおかしな事にならないのかもしれません。
これが大組織化すると、本来の目的から組織の維持、運営に目的が移ってしまいがちで、お金の問題が発生します。だから、赤十字、ユニセフなどの大組織に非常に曖昧なところがあると指摘する人が、昔からたくさんいるという事実があるのです。
私は、世界平和を思うなら、まずは、隣の人と仲良くすることが大事だと思います。隣人愛です。これは、言い古されてしまっている言葉かもしれませんが、私はこれが平和の原点の様な気がします。
今の世界を平和にするには、○○は正しいかな?と自分で考えることをする人がどれだけ増えるか、そして自分の心の声に従える人がどれだけ増えるかにあると思います。他人軸で100点を取っても、本当の心の平和は来ないと思います。それでは全体も平和にならないと思います。
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